ギルウェル山の会

ボーイスカウト関係者による登山の同好グループの山行記録。

vol.1「日本の山を殺すな!」

山や冒険に関して書かれた「山の本」と呼ばれる書籍は数多く刊行されています。

「山の本」の中には、山岳書籍、探検書籍、冒険書籍などがあり、ノンフィクション、ルポルタージュ、小説など多岐にわたる様式があります。

日々に折々の山の本に親しみ、つれづれに山の本の声を聴きながら、ひととき山とともに歩むよろこびに浸りたい…。

山の本を読んで感じた想い、豊かになった心の声を、山を心の住処としている人と分かち合いたくなったときに、山の本を紹介しながら語り合いたいと思います。

 

手に取って読んでみたいと心が動くように、表紙も供に紹介いたします。

人は何を求めて山に登るのでしょう。

山の懐に抱かれて、より深く想いを馳せ、想像力を膨らませて考える参考になれば嬉しく想います。 (H林)

 

 

 

「日本の山を殺すな!」

警鐘!破壊されゆく山岳環境

石川徹也著 宝島社文庫  ¥680

 

『報道されていない「隠された山岳開発」の実態。 多くの名山、山岳流域、そして世界遺産が、不必要な開発や「はき違えられた自然保護」で傷だらけになっている!

「山で何が起きているのか?」その事実を暴き、記録しておきたいという思いである。

その答えの一端は、本書に盛り込んであるので、じっくりと読んでいただきたいが、それは「予想以上にひどかった」といわざるを得ない。

新しい世紀になって、山は再び「心の拠りどころ」となっているのか。そのためには山の実態を知り、そこからこの国のあり方を反省していかなければならない。』

以上あとがきより

 

本書を読まれた方は、「山は美しい」といった幻想は、早く捨てた方が良いという事に気付かれただろう。

山も自然も、山に関わる人間たちも、確実に汚れ始めている。

いま、根本的な対処をしていかないと、汚れた山岳地帯はとめどもなく広がっていくだろう。

 (H林)

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