ギルウェル山の会

ボーイスカウト関係者による登山の同好グループの山行記録。

2013-12/7 上州三峰山

6:00am霞ヶ関北口集合。今回のメンバーはS根さん、S訪さん、N村さん、E崎の4人。関越は途中事故渋滞があったために一旦降りたり時間がかかったが、なんとかかんとか9:40に河内神社の駐車場到着。高速を降りてからも、ここまでのアプローチはちょっと難しかった。

 

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 支度をして9:50登り始め。途中「天狗の岩場、1分」という標識があったため、E崎がわがままを云って寄り道してもらう。ご神体があって、登っていい岩ではなかった。林道なのだろうが、枯葉に覆いつくされ所々荒れたつづら折れの道を登っていく。10:10頃パラグライダーのお客用のトロッコ乗り場に着く。ここまで車でも(四駆なら)上がってこれるようだが、終点は車の転回場所のため、一般車が車で上がってくることはできない。

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そこから石段を上がって一息で河内神社の境内に着く(10:18)。風もなくうららかな境内の休憩テーブルでしばし休憩。みなかみ町から沼田市にかけての市街地を見下ろし、子持山から榛名山の眺めがすばらしい。5分程ののち出発。949ピークを過ぎて、11:00頃後閑林道との分岐を通過。

   (↓河内神社)

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赤松とブナなどの広葉樹が混生したなだらかな起伏が続き、快適。途中綺麗な紫の実があった。ムラサキシキブとのこと。11:20三峰沼との分岐を通過、沼は帰りのお楽しみとする。沼の分岐を過ぎて暫く行くと、赤松の様子が変わってくる。それまで植林のまっすぐだった赤松が、だんだん自由になってくる。どれもこれも、自由に枝分かれし、龍のようにうねって伸びてく様がみごとです。その辺りから、気温も下がってきて風が吹くようになってきた。ときおり風花が舞っている。

   (↓ムラサキシキブ

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 お昼ちょうどに三峰山(1,122m)の山頂に到着。寒いので、コンロを出すのは河内神社までお預けにして、パンなどの行動食を摂ったり、記念写真を撮ったりで、なんだかんだ20分ほども休憩して出発(12:20)、もと来た道を引き返す。

   (↓三峰山頂で記念写真)

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 三峰沼への北側の分岐から、沼に向かう。緩やかな窪地から水が滲み出して小沢を作っている。時期になれば水芭蕉が咲きそうな雰囲気だが、帰宅して調べてみたら、沼田市のホームページによると三峰沼周辺は水芭蕉が観れるそうだ。13:30頃、三峰沼にでる。松の生えた島なんかもあって、ちょっといい感じだが、人工の沼で水田のための貯水池なのだそうだ。大小二つの沼を巡って、南側の分岐からもとの登山道に戻る(13:40)。

   (↓三峰沼の大きい方)

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さらに10分弱でパラグライダーの離陸場の方に入り、離陸場へ。なるほど、ここからなら空間に吸い込まれるように飛び立てるのだろう。素晴らしい展望。

   (↓離陸場。奥は子持山

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 ひとしきり眺めたあとは、離陸場の西端をすこし分け入ると、すぐ河内神社に出る。ベンチで大休止。コンロで湯を沸かし、カップ麺で腹を拵え直し。それからお茶やコーヒーなどを淹れて、ゆっくり展望をたのしむ。この境内はまことに穏やか。40分ほど休んでから、神殿に一礼して出発。暴れ気味の石段を降りて、枯葉に覆われた林道をゆっくり降りて、15:00駐車場に戻った。

 やはりちょっと判りにくいアプローチをこなして、今度はみなかみ町営三峰の湯へ。一人2時間までで350円。熱い内湯のすぐ外に温い露天があって、肌がつるつるするような良いお湯でした。

   (↓みなかみ町営 三峰の湯)

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 朝よりも雲がふえたものの、美しい夕空を眺めながら、関越に乗って帰りました。S根さん、往復の運転ご苦労様でした!(E崎)

 

vol.1「日本の山を殺すな!」

山や冒険に関して書かれた「山の本」と呼ばれる書籍は数多く刊行されています。

「山の本」の中には、山岳書籍、探検書籍、冒険書籍などがあり、ノンフィクション、ルポルタージュ、小説など多岐にわたる様式があります。

日々に折々の山の本に親しみ、つれづれに山の本の声を聴きながら、ひととき山とともに歩むよろこびに浸りたい…。

山の本を読んで感じた想い、豊かになった心の声を、山を心の住処としている人と分かち合いたくなったときに、山の本を紹介しながら語り合いたいと思います。

 

手に取って読んでみたいと心が動くように、表紙も供に紹介いたします。

人は何を求めて山に登るのでしょう。

山の懐に抱かれて、より深く想いを馳せ、想像力を膨らませて考える参考になれば嬉しく想います。 (H林)

 

 

 

「日本の山を殺すな!」

警鐘!破壊されゆく山岳環境

石川徹也著 宝島社文庫  ¥680

 

『報道されていない「隠された山岳開発」の実態。 多くの名山、山岳流域、そして世界遺産が、不必要な開発や「はき違えられた自然保護」で傷だらけになっている!

「山で何が起きているのか?」その事実を暴き、記録しておきたいという思いである。

その答えの一端は、本書に盛り込んであるので、じっくりと読んでいただきたいが、それは「予想以上にひどかった」といわざるを得ない。

新しい世紀になって、山は再び「心の拠りどころ」となっているのか。そのためには山の実態を知り、そこからこの国のあり方を反省していかなければならない。』

以上あとがきより

 

本書を読まれた方は、「山は美しい」といった幻想は、早く捨てた方が良いという事に気付かれただろう。

山も自然も、山に関わる人間たちも、確実に汚れ始めている。

いま、根本的な対処をしていかないと、汚れた山岳地帯はとめどもなく広がっていくだろう。

 (H林)

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2013-10/14 笠取山(奥秩父)

記念すべき第1回目の山行は、奥秩父笠取山。メンバーはS根さん、H林さん、N村さん、M野さん、E崎の5人。

6:00東上線霞ヶ関駅集合、S根さんのレガシィに全員同乗して出発。日高市高麗、成木街道軍畑から青梅街道経由で一ノ瀬高原の作場平登山口駐車場8:40。駐車場は結構な車の数が停まっており、そこそこ入山者が居る模様。出発準備を整えて、9:00出発。林道を中島川橋の登山口まで30分ほど歩く。

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林道からの登り出し(1350m)は、橋よりも手前から左手の斜面を登り始める。急登もなく良い道。ヤマブドウの実をチェックしながら歩いていたが、途中、割と手近なブドウの房を見つけると、H林さんが笹薮に突進してブドウ狩りが始まった。ほかにも一カ所良い場所があって、ビニール袋二袋に大振りな粒のヤマブドウが集まった。今年のヤマブドウは本当に大粒で驚く。

標高1600を超えた辺りで黒エンジュ尾根上にでる。緩やかな尾根上を快適に歩く。一時雲が増えてきたが、短いジグザグの急登をこなして11:00、笠取小屋から将監峠へのバイパス登山道に出るころにはまた青空が広がった。

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水平道を15分ほども歩くと笠取山への分岐を右に登る。さらに上の分岐でも小休止、年配の単独行者が黒エンジュの頭方面へ抜いて行った。

笠取山(1953)山頂には正午に到着。視界はまずまずだが、富士山は雲のなかで見えなかった。

f:id:gilwell_yama:20131014115853j:plain(山頂標識。光っちゃって、見えませんね。)

M野さんのジェットボイルでどんどんお湯を沸かしてもらって、カップ麺やらコーヒーやらで1時間ほども山頂で寛いだ。時折吹く風に、冬の気配が混じっていた。

 

山頂を出発、西進し「笠取山」との標識があるピークへ。ここが山頂だと思う人も多いだろう。「山梨県百名山」と書いてある。でも、ここが山頂ではない。また標識は巧みに西側斜面をすこし降りたところにある。ここにこの標識があることに、とても違和感を感じる。ま、いいけど…。

スキー場を思わせる斜面を笠取小屋方面に歩き、鞍部からカモシカ避けの柵沿いに南側に回り込んで、水干(ミズヒ)を見に行く。多摩川の大きな水系の、ここが始まりだ。涸れ沢に何段か石組みしてあり、左岸(右側)の岩の上部に「水神社」と記した石板が見える。さらに上部には祠の屋根のような物も見えるが、登って確認するには少々危険な気がしたのでやめた(13:30)。

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もと来た道を戻り、笠取小屋へ向かう。小屋の横のトイレは立派でよく手入れされていた。ここでトイレ休憩。小屋の前の広場を横切って、作場平方面へ。一ノ瀬川の左俣の支流と思われる流れに沿って道は続くが、流れは美しい。花崗岩が風化して砂礫になっている白い沢床の流れを絡むように降りて行く。時折赤いビロードのようなヤマブドウの枯れ葉が落ちていると、つい高い梢を見上げてしまう。

駐車場着15:00。途中道の駅たばやまの「めのこい湯」にて汗を流す。

20:30霞ヶ関駅にて解散。良い秋の登山でありました。

 

 記述:E崎